ドイツ記
さぁ、いよいよ実践です。
植物観察とは、森を歩いてまわることではありません。自然の中にある造形の法則を感じ取ること。グルーピング、静と動、シンメトリーとアシンメトリー、植物のキャラクター、色彩、明暗のコントラストなどなど。
その印象を、コラージュとゲシュテックで表現してみます。
こういった植物との向き合い方をして来なかった私たちにとって、目からウロコ。与えられた課題を戸惑いながら作っていきます。
日本では作り方を教わり作り始めます。ここドイツでは、感じたものを形にするところから始まります。
何も与えられません。
植物は学校の庭から、自分に必要な植物を必要なくらい採ってきます。
器は地下の倉庫から、自分のイメージあった器を選んできます。
もちろん、課題に合わせて活け方も自分で決めるのです。
これまで、あまり頭をつかわず何となく花をいけてきたことを思い知るのです。
これから先、作った作品すべてそうですが、出来上がった作品は、みんなの前で発表します。
何を感じこの作品を作ったのか。
この素材を。器を選んだのか。
その表現は上手く行ったか。
そして、みんなで考え、意見を交換します。
貴重な時間です。
まっ、最も緊張する瞬間で、自分で上手くいかなかった作品のときは地獄です。
上手く表現できず、人に伝わらない、感動もしないものを作ってしまった。それを一番感じているのは自分なのに,そんな作品をわざわざ人前にさらし説明しないといけないのですから。
その後、最後の”つるし上げ” とみんなで呼ぶようになりましたけど。